勇気を翼に込めて。
愛を伝える音色
愛を伝える音色
「アイスクリーム、どれにするの?」
聞かれて戸惑う。そっか、アイス買うんだった。
「えーと」
どうしよう、頭が働かない。
「先に買ってるね。」
「待って」
お願い。
私に時間をください。
「好きなの、」
自分の不安を認めること。それが私の1番のお薬。そして、先生が好きなことを認めること。それが1番の幸せへの近道だから。
「アイス?」
わざとかもしれないけれど少し鈍感なお医者さんに笑いが漏れる。
「先生が。私は今先生の前で失敗するのが怖い。見捨てられるのが怖い。先生に、嫌われるのが怖い。」
「アイスぐらいで嫌いにならないですよ。」
それはごもっともなんだけど。
「先生に選んでほしい。」
私が本当に言いたかったこと、それは。
「一緒に食べませんか?」
断られるのが、たまらなく怖かったんだ。