中継ぎ聖女だとぞんざいに扱われているのですが、守護騎士様の呪いを解いたら甘めに愛されました。

聖女の告白と戦い


 レナルド様の戦い方は、全てのヘイトを自分に向けるものだ。どこか胸が痛くなる。
 どうして、全ての魔獣が、レナルド様に向かっていくのかと、以前聞いたことがある。

『守護騎士とは、そういうものです』

 その時、平然と答えたレナルド様に、思わず私の涙腺は崩壊しかけた。
 でも、今のレナルド様は、守護騎士の肩書がない。
 それなら、どうして私にはまったく魔獣の攻撃が来ないのだろう。

 不思議に思いながら、再びレナルド様の背中側に忍び寄るスライムを見つけて、魔法障壁を張る。
 今度のスライムは、蛍光ピンクと蛍光グリーンのサイケデリックな色合いだ。
 スライムと言えば、水色とか銀色という認識があったが、斬新だ。

「どうして、レナルド様にだけ、ヘイトが向くのですか」
「――――え? 聖女様に、魔の手が忍び寄るなんて、俺が許すはずないですよね?」

 そういって、少しだけ笑ったレナルド様の横顔に、どこか寒気を感じる。

「そういえば、王都は今頃」
「――――仲間たちに任せていれば、大丈夫です。聖女様に害をなした人間に関しては、その限りではありませんが」
「――――え?」

 確かに私の扱いは、ぞんざいの一言だった。
 でも、王都にはたくさんの人がいる。助け出した人たちの中には、私に本当に感謝をささげてくれた人たちもいた。

「あなたの大切にしているもの、全てを守ると決めていますから」

 それは……。いつも不思議に思っていた。その大切な存在の筆頭は、レナルド様なのに、まるで自分がその中にいないような言い方をいつもすること。

「レナルド様が、私の一番大切な人です」

 なぜか空中を蹴り上げて、二段飛びをみせ、自分よりはるかに背が高い、巨大なワームを真っ二つに切り裂くレナルド様。音もなく、砂埃を断たせることなく、ふんわりとその足が地面につく。

「――――え?」
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