お前を必ず落として見せる~俺様御曹司の執着愛
横断歩道で絶対に誰かに背中を押された。

一瞬の間で「消えて」と声が聞こえた。

真凜かどうかは定かではない。

でも、でも……

「まどか、まどか大丈夫か」

病室のドアを勢いよく開けて入ったきたのは龍斗さんだった。

「龍斗さん」

まどかのそばには新がより寄っていた。

龍斗は一瞬新を睨んで、すぐにまどかの側に駆け寄った。

「どうしたんだ、何があった?」

「急にバランスを崩して、車道に飛び出しちゃって……」

「そうか」

龍斗はまどかをギュッと抱きしめた。

「なんともなくてよかった」

龍斗はまどかの身体を離すと、新に向かって言葉を発した。

「世話になったみたいだな、礼を言う」

そう言って頭を下げた。

「なんともなくてよかったです、では俺はこれで……」

「新、ありがとう」

「ああ、一人で出歩くなよ、俺に連絡くれたらすぐに飛んでくるからな」

新は龍斗に頭を下げて病室を後にした。

龍斗はそれから何も言わない。

怒ってるのかな?

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