お前を必ず落として見せる~俺様御曹司の執着愛
「なんでもないって様子じゃないぞ、もし俺でよかったら話を聞くぞ」

俺は泣いているまどかを放っておけなかった。

「社長は優しいですね」

「そんなことねえよ」

それからまどかを食事に誘った。

彼の愚痴を聞かされて、でもまどかと過ごす時間はとても気分がよかった。

同棲している恋人は毎日帰りが遅くて、いつも食事は一人で食べると言っていた。

「俺も一人だから一緒に食べようぜ」

「でも、社長は彼女さんがいらっしゃいますよね」

「いねえよ、いたらまどかを誘わねえよ」

この日はワインを飲みすぎたのか、まどかは足元がふらついて危なかった。

「まどか、大丈夫か、アパートまで送っていく」

俺も久しぶりにワインを飲んだので、タクシーでまどかを送り届けた。

部屋は真っ暗で寒々としていた。

楽しい同棲生活と言う雰囲気は微塵も感じられなかった。

三年彼と身体の関係はなかったと言っていたが、多分この時にはすでにそう言う状態だったんだろう。

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