お前を必ず落として見せる~俺様御曹司の執着愛
この時、強引にでもまどかにプロポーズしていたら、恋人から奪っていたら、あんな辛い思いはさせずに済んだかも知れなかったと後悔した。

まさか、まどかに嫌われるために新と言う恋人は女との関係を見せつけたなんて、俺は社長と秘書の関係を崩したくなくて、気持ちを伝えられなかった。

なんて情けない男なんだと自分を恥じた。

真っ暗な部屋にまどかを運んで、電気をつけた。

コップに水を汲んで、まどかに飲ませようとした時「新」と男の名前を呼んで俺に抱きついてきた。

「おい、まどか、水を飲め」

俺はこの時、自分の口に水を含ませて、まどかに口移しで水を飲ませた。

このまま連れ去って抱いてしまいたかった。

十年だぞ、我慢にも限界がある。

こんなにも放ったらかしで平気なら、まどかは俺がもらう。

まどかをギュッと抱きしめた。

でもまどかは恋人を愛しているんだよな。

俺はまどかをベッドに寝かせて、おでこにキスを落とした。

まどか、おやすみ、また明日会社でな。

龍斗はアパートを後にした。

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