君とする恋は苦くて甘い

「そういえば、お前って彼氏いるの？」

コウのいきなりの質問に、飲んでいるカフェオレを吹き出してしまうところだった。

「ちょっ、急になに？　私のこと聞いてどうするの？」

「いや、なんとなく知りたいから。というか、彼氏いたら、俺と２人でいること知られたらまずいんじゃない？」

「まぁ、その心配はないよ」

「じゃあ、気になる奴は？」

「……」

「その様子からしているってことだな。告白とかするの？」

「しないよ。というか、諦める予定だし」

「なんで？」

「私なんかが敵う相手じゃないから」

「お前の良いところいっぱいあるじゃん」

なんでそんな優しいこと言ってくれるの？

コウにこんなこと言われると気持ちが揺らいでしまう。

「なんでそこで諦めるんだよ？」

「……今まで築いてきた関係が壊れるのが怖いから」

「そうやって、自分に保険をかけるんだ？」

本当にその通り過ぎて、ぐうの音も出ない。

関係が壊れるぐらいなら、友達のままの関係でいた方が身の為。

でも、それ以前に……。