君とする恋は苦くて甘い
「俺が好きなのは冬姫。冬姫しかいないから」
「うそ……」
「うそじゃない。さっき告白してくれたのもの凄く嬉しかったんだ。冬姫が好きな奴は俺じゃないと思ってたから。だから、すぐに反応できなくてごめん」
そう言うなり、申し訳なさそうに目を伏せた。
「それに、本当のこと言うと、俺も自分に保険をかけてた。冬姫が言った通り、俺たちの関係が壊れることが怖かった。冬姫だけは失いたくなかった。ずっと“友達”のように接していたけど、これからは堂々と“恋人”として接してもいいんだよな?」
「当たり前じゃん! 私もそうしたい」
コウの想いを知れて私と同じ気持ちでいてくれたことに嬉しくなって笑顔が溢れた。
「冬姫」
大好きなコウが優しく微笑みかけてくれる。
もうそれだけでドキドキして心臓が飛び出してしまいそうになる。
「コウ」
お互い手を取り合い、顔を近づけた。
初めて交わしたキスは、コーヒーのほろ苦さとカフェオレの甘さが混じり合った味だった。
ーFinー