この契約結婚、もうお断りしません~半年限定の結婚生活、嫌われ新妻は呪われ侯爵に溺愛される~
契約結婚お受けします
西日が少し眩しい二人っきりの部屋で、その言葉は告げられた……。
オレンジ色の光に照らされた、艶やかな銀髪。
吸い込まれそうな北の夜空みたいなコバルトブルーの瞳。
私の好きな人。ディル・サーベラス様は、無表情だ。残念ながら、いつも無表情なのだけれど。
「ルシェ……。申し訳ないが、この結婚は、君から断ってもらえないか」
「ディル様、それは……」
一方、目の前にいる私は、ごく普通の茶色い髪に、よくある緑の瞳をしている。
可愛いと言われることはあるけれど、美人かといえば人並みといわざるをえない。
< 1 / 62 >