この契約結婚、もうお断りしません~半年限定の結婚生活、嫌われ新妻は呪われ侯爵に溺愛される~
告げられた真実と声にならない言葉
* * *
目を覚ますと、ここ数日いつも眠っていた私の部屋だった。
コバルトブルーのカーテン、目線を横に向けると、ベッドに上半身だけうつ伏せになって、私の手を握る銀色の髪をした人が目に入る。
「――――ディル様」
小さく声を掛けると、眠りは浅かったのかガバリとその人は顔を上げた。
ボロボロとコバルトブルーの瞳からこぼれ落ちる涙は、星屑みたいだ。
「ルシェ……」
そのまま、ベッドに膝を乗り上げてきたその人は、私のことを抱きしめた。
まだ泣いているのだろう、震える体にそっと腕を回す。
「ごめん、ルシェ……」
「無事でよかったです」
「どうして、あんな無茶をしたんだ」
ますます強い力で抱きしめてきたディル様を押しのけて少しだけ距離を取る。
「そ、それは、こちらの台詞ですよ!! どうして、あんな無茶なことしたんですか!? 魔力だって限度があるんです! 自分を守るために使ってくださいよ!!」
「……ルエダから報告を受けて、嫌な予感がして駆けつけたら、君は炎の中だ。そんな余裕ないに決まっている」
「それでも……。ちゃんと自分のお体を」