この契約結婚、もうお断りしません~半年限定の結婚生活、嫌われ新妻は呪われ侯爵に溺愛される~
「さみしいですけど、そうじゃなくて」
「俺の余命のこと?」
「……それは」
本人に面と向かって言われてしまえば、頷くことすら出来ずに鼻がツーンッとしてしまう。
「……進展がないわけではない」
「えっ!」
「大丈夫、ちゃんと守ってみせるから」
「え?」
今日も額に口づけが落ちてくる。
一瞬、聞き逃してしまいそうになったけれど、自分の呪いを解決するのではなく、なぜか私を守ろうとしているように聞こえてしまった。
「ルエダを護衛に置いていくから」
「あの、ディル様!」
「……もう、行かないと。何かあったら、王城にいるから、ルエダに取り次ぎを依頼して」
「わ、分かりました……」
少しの拒絶を感じてしまい、大人しく部屋に戻ろうとした時、ルエダ卿が執務室に入っていくのを見た。
護衛をしてもらうのだから挨拶をしなくては、と思い追いかけていく。