先生の隣にいたかった


「お疲れ様」



私が無事走り終わった時、
日向が駆けつけてくれた。


一位にはなれなかったけど、
みんなでバトンを繋いでゴールした。

それがこんなにも、
嬉しいなんて知らなかった。


ずっと、
当たり前のことだと思っていたから。


みんながいなきゃ、
私は多分克服できなかった。


だから、みんなには伝えたかった。

「ありがとう」


涙が溢れて止まらなかった。


「本番、頑張ろうね」


そう言う日向も、
同じように涙を流していた。


私のために、涙を流す日向は本当に優しい。

最高の友達だよ。


日向、翔太、紬ちゃん、香織ちゃん。



そして、先生。




…本当にありがとう。

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