先生の隣にいたかった

〜特別な花火〜




私はこの週末、必死に勉強した。


このテストで、
絶対に上のクラスに行きたかったから。




先生は、私のことを生徒としてしか
みていない。

翔太の話を聞いて、はっきり分かった。






それでも、私は先生の隣にいたい。




「おはよう、いお」



「日向、おはようって、
なんかこの世の終わりみたいな顔してるね」



「全然、勉強出来なかった…」



元々上のクラスにいた人は、下のクラスに下がるのが嫌で、必死に勉強をしているはず。
それに、元々上のクラスの人は、英語ができるから、私はそれ以上に勉強しなければいけない。




「日向なら大丈夫だよ」




「…大好き」



「…何、急に。そんなこと言っても、
何も出ないよ?」




「違うよ。本当に好きだよ。
お互い頑張ろうね」


「うん」




クラスを見渡すと、
みんな必死に勉強していた。



でも、みんなが頑張る理由は、
上の人は下に落ちたくない。
下の人は、上に行きたいから。





でも私は違う。




…先生がいるから。



先生がいなかったら、別にどっちでもいい。




先生がいるだけで、こんなにも頑張れる。



やっぱり私にとって先生は、
ただ好きなだけじゃない。




でも、この時の私は、
先生に対して好き以外の感情が、
分からなかった。



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