先生の隣にいたかった

〜いおへ〜

元気ですか?笑顔でいますか?って質問ばかりだね。
 


まず、いおには謝らないとね。








クリスマスの日、
いおが言おうとしてたことは分かってたよ。







全部分かってた。






なのに、聞いてあげられなくてごめんね。








正直、
俺に気持ちがあるって分かって嬉しかったよ。







でも、俺は教師で、いおは生徒だから、
これがダメなことも頭では分かってた。







分かってたけど、日に日に俺は、
いおを想う気持ちが大きくなってた。








もし俺が気持ちをいおに伝えてしまったら、
きっといおを傷つけることになる。












…それだけはしたくなかったんだ。













……大好きな人を傷つけることは、








出来なかった。









学校の移動願いを出したのは、










俺なんだ。









最後まで悩んだよ。





もっといおのこと知りたいし、
俺がいおの成長を隣で見ていたかったから。






でも、榊原や成川がいおに想いを伝えてるの
を見て、正直嫉妬した。









それもあって、
だんだん、いおのそばにいることが、





辛くなった。










…苦しかったんだ。










ごめんね、自分勝手で。










結局俺は、いおに傷ついてほしくないって言っておきながら











…逃げただけなんだ。








ダサいよね。
でも、俺はそういう人だよ。






ちょっとしたことですぐ嫉妬して、
いおのこと、他の男に触れられたくないし、
ずっと俺の隣にいればいいって思ってた。








いおが泣く姿だって、
俺だけに見せてほしかった。








俺の知らないところで、
泣かないでほしかった。










隣で、ずっと笑っていてほしかった。










いおは、俺がこんなこと思ってたなんて、
知らなかったでしょ?









でも、それぐらい…どうしようもなく





いおのことが














大好きだったんだ。











三学期中、ずっと話せなかったのは、
全部自分のためだったんだ。







嫌いになったとかじゃなくて、











突き放せば、
いおは諦めると思ったから。













でも、いおは全然諦めなかったね。













ごめんね、辛い思いさせて。












でも、俺はいおに出会えてよかったよ。













だから、





俺と出会ってくれてありがとう。













こんな俺を好きになってくれて、








ありがとう。

















好きになってごめんね。


















大好きだったよ。


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