私のお願い、届いてますか?
第1章 帰る場所に
「河田、この企画書、大幅訂正ありだ」
「は、はい!」
小休憩と思って、コーヒーをカップに注いでいると、上司のダメ出しの声が聞こえて、慌てて返事をする。
昨日、徹夜したのに…。
内心へこみながらも、デスクに戻って付箋の貼ってある箇所に目を通す。
本当だ…。抜けてることばっかり。
デスク同士の仕切りの影に身を潜めて、小さくため息をつく。
入社2年目。自分でできる仕事もちょっとずつ増えてはきたけれど、まだまだダメ出しばかり。
入れたばかりのコーヒーを口に運んで、束の間の休息。
すぐにパソコンのフォルダーを開いて先ほどの企画書の手直しに取り掛かる。
今の時刻は、17時15分。もちろん、17時30分の定時に帰れるはずもなく、残業決定。
あっ…秀人に連絡。…しなくてもいいか。どうせ既読つかないし。きっとまた泊まり込みか朝に帰ってくるんだろうし。
同棲中の恋人のことが頭をよぎるけれど、モヤッとした感情が湧き上がり、キーボードを打つ指に力を入れる。
一緒に住んでるのに、いつから顔合わせてない?
1ヶ月?ううん、1ヶ月半?
もう一度、小さく息を吐いて、企画書のページをめくった。
「は、はい!」
小休憩と思って、コーヒーをカップに注いでいると、上司のダメ出しの声が聞こえて、慌てて返事をする。
昨日、徹夜したのに…。
内心へこみながらも、デスクに戻って付箋の貼ってある箇所に目を通す。
本当だ…。抜けてることばっかり。
デスク同士の仕切りの影に身を潜めて、小さくため息をつく。
入社2年目。自分でできる仕事もちょっとずつ増えてはきたけれど、まだまだダメ出しばかり。
入れたばかりのコーヒーを口に運んで、束の間の休息。
すぐにパソコンのフォルダーを開いて先ほどの企画書の手直しに取り掛かる。
今の時刻は、17時15分。もちろん、17時30分の定時に帰れるはずもなく、残業決定。
あっ…秀人に連絡。…しなくてもいいか。どうせ既読つかないし。きっとまた泊まり込みか朝に帰ってくるんだろうし。
同棲中の恋人のことが頭をよぎるけれど、モヤッとした感情が湧き上がり、キーボードを打つ指に力を入れる。
一緒に住んでるのに、いつから顔合わせてない?
1ヶ月?ううん、1ヶ月半?
もう一度、小さく息を吐いて、企画書のページをめくった。
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