私のお願い、届いてますか?
第8章 正体
「…梨々香」
んっ…
体が揺すられていることに気が付き、ふと目を覚ます。
私を覗き込む秀人の背後に見える見慣れない空間にはっとする。
あっ…そうだ…ここ、家じゃないんだ。
「おはよ…」
「お、おはよう。ごめん…熟睡しちゃってた」
みなみ先生の仮眠室のソファーはすごくふわふわで、寝心地が良く、昨日あっという間に夢の中へ吸い込まれていった。
「…色々あったと思うから…。そろそろ帰るよ」
「も、もうそんな時間?」
時計を見ると、朝の7時。こんなに寝てたんだ…。
起き上がって、タオルケットを丁寧にたたみ直す。
自分のバックからメモ帳を取り出して、みなみ先生にお礼のメッセージを残した。
「…今日はお昼くらいから、また泊まり込みでこっちに戻ってくるけど…1人で大丈夫?」
「うん。大丈夫。出かける予定もないから」
もしかしたら、昨日の人影は気のせいなのかもしれないし…。
「再来週からは家と会社近くなるから、もう少しの辛抱だな…」
「うん」
そうだった。来週末は、新居への引っ越しがあった。だから今週末で少しずつ部屋を整理しようと思ってたんだ。
「…つけられる心当たりは?」
秀人の質問に、私は首を横に振る。本当は、ひとつだけひっかかっていることがあった。
あの社内へのメールのこと。そのことと直接関係あるのかはっきりしないから、私はまだ黙っていることにした。
んっ…
体が揺すられていることに気が付き、ふと目を覚ます。
私を覗き込む秀人の背後に見える見慣れない空間にはっとする。
あっ…そうだ…ここ、家じゃないんだ。
「おはよ…」
「お、おはよう。ごめん…熟睡しちゃってた」
みなみ先生の仮眠室のソファーはすごくふわふわで、寝心地が良く、昨日あっという間に夢の中へ吸い込まれていった。
「…色々あったと思うから…。そろそろ帰るよ」
「も、もうそんな時間?」
時計を見ると、朝の7時。こんなに寝てたんだ…。
起き上がって、タオルケットを丁寧にたたみ直す。
自分のバックからメモ帳を取り出して、みなみ先生にお礼のメッセージを残した。
「…今日はお昼くらいから、また泊まり込みでこっちに戻ってくるけど…1人で大丈夫?」
「うん。大丈夫。出かける予定もないから」
もしかしたら、昨日の人影は気のせいなのかもしれないし…。
「再来週からは家と会社近くなるから、もう少しの辛抱だな…」
「うん」
そうだった。来週末は、新居への引っ越しがあった。だから今週末で少しずつ部屋を整理しようと思ってたんだ。
「…つけられる心当たりは?」
秀人の質問に、私は首を横に振る。本当は、ひとつだけひっかかっていることがあった。
あの社内へのメールのこと。そのことと直接関係あるのかはっきりしないから、私はまだ黙っていることにした。