私のお願い、届いてますか？
「流石に、明るければ大丈夫か…」

秀人は、マンション付近で念のため、あたりを見渡してそう呟く。

そのまま、マンションの入口の郵便受けから、届いていたチラシや電気料金の請求書などに束を手に取ると、そのまま階段を上がっていった。

玄関に入ると、ドッと疲れが押し寄せる。なんだかんだで、結局自分の家が1番落ち着く。

ビリッ

紙を破く音と、クシャッと握りつぶす音が聞こえて、嫌な予感がして、リビングにいる秀人の元へと向かう。

あれ？

「…今、何か破いてなかった？」

シャツを脱ぐ秀人の周りには特にそれらしきものはなくて尋ねると、

「…さあ？」

ととぼけた秀人。

「悪いけど、先にシャワー浴びる」

そのまま、浴室へと行ってしまい、詳しく聞くタイミング逃してしまった。

テーブルの上には、郵便物の束が綺麗に揃えて置いてある。

もしかしたら、ゴミ箱？

そう思って、覗いたけれど、それらしきものは何もなかった。

…捨ててないことが、逆に不安になる。でも…気にしてもキリが無いか…。

そう思い直して、モヤモヤが少し残ったまま、簡単に朝食を作ることにした。


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