私のお願い、届いてますか？
「…鈴木さん…私…すごく怖かったです…。でも…鈴木さんだって追い詰められてたんですよね…。もう大丈夫ですから…」

そう声をかけて、鈴木さんの隣に座って、背中にそっと手を添えた。

「…ごめんなさい。…私…もう作家を目指すのは辞めるわ…。こんな人間が、人の心を動かすような作品書けるわけないもの…。本当に、本当にごめんなさい」

鈴木さんは、何度も何度も頭を下げた。

「梨々香は、もういいの…？」

あまりにも泣きじゃくる鈴木さんを心配していると、秀人が私に声をかける。

「…うん。鈴木さんが、苦しんでたの知ってるから…」

直接ではないけれど、あの記事で追い討ちをかけてしまったんだと思うと、私も申し訳ない気持ちになる。

「…鈴木さん…もういいですから…」

そう声をかけたけれど、鈴木さんはずっと頭を下げていた。











「本当に…ごめんなさい」

「大丈夫ですから…。あの…どうやって社内メールに送信したんですか？」

ずっと疑問に思ってた。海外のサーバーを使って、突き止められないようにする技術を鈴木さんが持っていたということに。

「…えっ…メール…？」

鈴木さんの心当たりのない反応に、私の気持ちが動揺する。

「梨々香、社内メールって何の話？」

あっ、秀人に言ってなかったんだ…。

眉毛をぴくっとさせて、険しい表情を見せる秀人に、私は思わず視線を逸らす。

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