私のお願い、届いてますか?
それからもう一度秀人の顔を見て、一度家に戻ろうと病院を出ると、刑事さんに呼び止められて事情聴取を受けた。

その中で私が伝えたことは、藤田恵麻さんとは面識がなかったこと、メールでの嫌がらせを受けたこと、そして朝岡さんとは何もないことだった。

刑事さんの話によると、朝岡さんも私と同じように軽く事情聴取を受けるだけで、特に刑罰にあたることは何もないということで、少しだけ安心した。

でも…報道で名前出てるから…安心しきれるわけじゃないよね…。

家に戻って、軽くシャワーを浴びて、秀人の入院用のセットをカバンに詰めた。

早く意識が回復するといいな…。

秀人の声が聞きたい。早く日常に戻りたい。

目が覚めた時に居てあげたいという気持ちから、私はすぐに病院へと戻った。












あれ…?誰か来てる。

集中治療室へと向かうとカーテンの中に人影が見えて、ゆっくりと中へと入る。

秀人の近くにいたのは、ハンカチで目元を押さえている中年の女性と男性だった。

もしかして…

「秀人さんの…お母さんとお父さん…ですか?」

「あなたは…?」

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