私のお願い、届いてますか?
第2章 離れて思うこと
「moon企画から来ました、河田梨々香と申します。よろしくお願いします」

今日から、沖縄出張。リゾート開発を手掛けるチームの一員として、定期イベントの構想を考える業務に就く。

「チーム主任の朝岡倫也です。分からないことがあったらなんでも聞いて下さい」

柔らかい物腰で話すのは、私の企画に興味を持ってくれたという朝岡さん。

「菊地結衣子です。女の子が来てくれて嬉しい!このチームで女子は私だけだったから」

「ククッ。結衣子、女子っていう年齢でもないだろ」

「礼人、一言余計」

結衣子さんは、斜め後ろで笑いを堪えてる男性をキッと睨む。

「怖っ。えっと、俺は道沢礼人。結衣子とは同期なんだ」

爽やか笑顔でそう言った礼人さん。結衣子さんは呆れた様子で息を吐いた。

同じチームの人、みんな優しそうでよかった。

「さっそく、開発全体のイメージについて説明するよ」

朝岡さんはそう言って、私をガラスケースの中に造られた模型の周りに呼んだ。

「素敵…」

海辺の近くに、コテージ風のホテルが10棟ほど並んでいて、開放感溢れるリゾート地となっている。

「河田さんには、ここでの特別なイベントや、夜のライトアップなどの演出を企画してほしくて」

こんな素敵な開発に関われるなんて、すごくありがたい。

「はい!頑張ります!」




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