私のお願い、届いてますか?
「梨々香ちゃんのチーム入りをお祝いして、乾杯!」

結衣子さんの声がけで、飲み会が始まる。ここは、行きつけの居酒屋さんらしく、沖縄ならではの料理がメニューにずらっと並んでいる。

私は、搾りたてのシークワーサーのサワーをさっそく注文して、一口飲む。

「美味しい…」

「でしょ?私達も3ヶ月前に沖縄に来たんだけどね、すぐにここのお店のファンになっちゃったの」

結衣子さんは、ふふっと笑って、私の肩に腕を回す。

「みなさんはもともとどちらにいらっしゃったんですか?」

「俺達は、大阪に本社があるんだ。でも出身はみんな関東」

礼人さんはそう言うと、泡盛をクイっと飲む。朝岡さんも、礼人さんの隣で同じように泡盛を口に運んでいる。

「沖縄、暑くてびっくりしたでしょ?」

「はい。外にいるだけで汗が出てきちゃって…」

「だから、海に入れば気持ちがいいし、お酒も美味いんだよな」

「礼人は、お酒好きだもの」

「ははっ、それもそうか」

結衣子さんと礼人さんって、すごく仲がいいんだな…。お互い冗談言い合ってるし。

「河田さん、ほかに、食べたいものあったらどんどん注文して」

そう言って、私にメニュー表を開いて手渡してくれた朝岡さん。

「ありがとうございます」

メニューを受け取って、煮物の欄に目を向ける。



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