私のお願い、届いてますか?
あの写真を見て、同じこと思い出してくれたんだ。ちょっと嬉しいな。

『ということで、家に戻ったら一応メッセージ入れておいて。…あと、今の研究の結果が出そうだから、論文まとめるのに篭りっきりになると思う』

つまり、メッセージの返信がほとんどないということ。前もって教えてくれるということは、だいぶ私を気遣ってくれているんだと思う。

「うん。体調崩さないようにね」

『…うん。じゃあそろそろ研究室戻るよ』

「電話、ありがとうね」

電話が切れたあと、空を見上げる。

綺麗…。

〝今度沖縄行こう〟

さっきの秀人の言葉を思い返して、顔がにやけた。










「あっ、戻ってきた梨々香ちゃん。彼氏から?」

近づく私に、ほろ酔い気分の結衣子さんが大きく手を振る。

「…はい!」

さっきのやりとりもあったから、自信をもって即答できる。

「職場恋愛?」

礼人さんが、焼き鳥を食べながら尋ねる。

「いいえ、彼、今大学院生で。来年の4月からは社会人ですが…」

「へー、院生なんだ?すごいね」

感心した様子の礼人さんはクイっと泡盛を飲む。

「付き合って長いの?」

楽しそうに結衣子さんが質問を続ける。

「…5年…ですね」

そう答えながら、もう5年も経ってるんだ…、と自分でもちょっとびっくり。





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