私のお願い、届いてますか?
ただ…彼女には、素敵な彼氏がいると知っているから、いずれはこの気持ちを思い出としなければいけない。

ある意味、今日で会うこともしばらくないだろうから、明日からは切り替えるか…。

ブーッブーッ

本社からか。

コーヒーを一口飲み、仕事モードに切り替えて電話に出た。











約束のレストランの前で河田さんを待つ。

「朝岡さん。すいません、少し遅くなっちゃって…」

その声で視線を上げると、日中にあった時にひとつにまとめていた髪の毛が下ろしてあり、雰囲気が少し変わっていた。

「大丈夫。こちらこそ、仕事終わりにごめんね」

俺の言葉に首を横に振った河田さんは、やっぱり可愛らしい。

お店に入り、注文を終えて待っている間、世間話に花を咲かせる。

「…そういえば、彼氏さんには伝えてるの?」

「はい。メールで伝えてあります」

「嫌がらなかった?」

そう尋ねると、河田さんはキョトンとした表情で俺を見た。

「上司との食事なので、大丈夫かと…。それに、基本すぐには返信がないので…。あっ、でも、ダメだったらすぐに反応はあると思うので大丈夫です!」

そういう感じの彼氏なのか。そういえば、大学院で研究してるって言ってたもんな。忙しいんだろうな。

「あっ、そうそう、忘れないうちに」

俺はカバンから渡しそびれていた包みを取り出して渡した。






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