私のお願い、届いてますか？
受け取って、中身を手にした河田さんは、大きい瞳をさらに大きくして、嬉しそうな表情を見せた。

「これ、沖縄の海…？」

「そうみたいだね。2人で選びに行ったみたいだよ？」

そう教えると、にこにこと笑顔で中身を見て、丁寧にしまった河田さん。

「あの…直接聞けなかったことなんですけど…礼人さんと結衣子さんって…恋人同士なんですか？」

「えっ…？」

まさか2人の関係を聞かれるとは思っていなくて、素直に驚いてしまった。

うーん…。どう説明すれば伝わりやすいだろうか。

「世の中、好きって言う気持ちと、恋人になるって言うことが必ず一致するとは限らないものだと思うんだ…」

そう伝えると、首を傾げて不思議そうに俺をみる河田さん。

オブラートに包んで説明するのって、難しいな…。

「恋人ではないけど、両想いってやつだ」

「…事情が…あるんですね。これ以上朝岡さんを困らせるのも申し訳ないので、何かの時に、結衣子さんに聞いてみます」

困ったように笑う河田さんに、俺もぎこちなく微笑み返すと、ちょうど注文した料理とお酒が運ばれてきた。

「美味しそう」

目を輝かせる河田さんのあどけない表情に、今度は自然と笑みが溢れる。

河田さんのコロコロ変わる表情に、癒されるんだよな…。


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