私のお願い、届いてますか?
…なんだろう。ずっと後ろから誰かついてきてる気がする…。

家に向かって歩いていると、そんな気がして心臓の鼓動が速くなっていく。

さりげなく後ろを振り返ったりしたげど、人影を目撃することはできなくて、逆にそれが恐怖心を煽っていく。

どうしよう…。このまま帰って、もし家がバレたら…?

バッグからスマホを取り出して、忙しいって分かってるけど、微かに震える手で秀人に電話をかけた。

『…はい』

長い呼び出し音の後、秀人の声が聞こえて、少しだけホッとする。

「…忙しいのに…ごめんね」

『いや、大丈夫。それより…電話だなんて珍しい』

「あっ…うん…あのね…っ…今帰ってるんだけど…誰かついてきてる気がして…」

『えっ。梨々香、今どの辺?』

電話越しに、秀人の驚いてる様子が伝わってきた。

「…お惣菜屋さんの近く…」

『そこの隣にコンビニあっただろ?そこに入って待ってて。すぐ行くから』

「えっ?」

ブツっと電話が切れて、私は急いでコンビニに入って雑誌コーナーで雑誌を手に取る。

流石に、ここまでは入ってこないよね…。ふーっと息を吐いて、外の様子を伺う。

でも、秀人、今からここに来るの?
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