私のお願い、届いてますか?
「…一度も?」
「とりあえず、家帰ろう…」
自転車を押して歩き始めた秀人の隣を歩きながら、さっきの言葉を思い出す。
迷惑だって、本当に一度も思ったことないの?
チラッと秀人の横顔を見たけれど、暗い道ではよく見えなくて、すぐに前を向き直す。
「あっ、ちょっとごめん」
しばらく歩いていると、立ち止まって、ポケットからスマホを取り出して、電話に出る秀人。
「あっ、はい。すぐに戻ります。…えっと…」
話を止めて、街頭の下で、秀人が私をじっと見つめる。
メガネの奥の真剣な眼差しに、ドクンっと心臓が大きな音を立てる。
「…はい。そうします」
秀人は電話を切って、スマホをポケットにしまうと、自転車に手をかけた。
「あのさ…梨々香、明日予定ある?」
「…ううん。家の掃除しようかな…って思ってたけど」
「今日、このまま家に1人でいるのも不安だと思うから…俺と一緒に研究室、来る?」
えっ…?
「先生が…連れて来ていいって…」
「あー…気まずかったらあれだけど」
秀人のいつも過ごしてる場所…。見てみたい気もするけれど、そこに、本当に足を踏み入れていいものなのか、考え込む。
「とりあえず、家帰ろう…」
自転車を押して歩き始めた秀人の隣を歩きながら、さっきの言葉を思い出す。
迷惑だって、本当に一度も思ったことないの?
チラッと秀人の横顔を見たけれど、暗い道ではよく見えなくて、すぐに前を向き直す。
「あっ、ちょっとごめん」
しばらく歩いていると、立ち止まって、ポケットからスマホを取り出して、電話に出る秀人。
「あっ、はい。すぐに戻ります。…えっと…」
話を止めて、街頭の下で、秀人が私をじっと見つめる。
メガネの奥の真剣な眼差しに、ドクンっと心臓が大きな音を立てる。
「…はい。そうします」
秀人は電話を切って、スマホをポケットにしまうと、自転車に手をかけた。
「あのさ…梨々香、明日予定ある?」
「…ううん。家の掃除しようかな…って思ってたけど」
「今日、このまま家に1人でいるのも不安だと思うから…俺と一緒に研究室、来る?」
えっ…?
「先生が…連れて来ていいって…」
「あー…気まずかったらあれだけど」
秀人のいつも過ごしてる場所…。見てみたい気もするけれど、そこに、本当に足を踏み入れていいものなのか、考え込む。