麗しの薔薇
「……と、突然話しかけてすみません。私は織宮 奏と言います。」
同時にこういうものです…と言いながら丁重に名刺を差し出してきた。
…そんな簡単に身分を明かしていいものか?
とも思ったが、正直調べれば直ぐに分かるものだから、ここで明かされようが変わりないだろう。
私がそれを受け取ると、織宮さんは少し俯いてから勢いよく顔をあげ
「れ、レッド…私の………
宝石になってくれませんか…!!」
なんとも彼の口から出るとは思わなかった言葉を発した。