偏差値高めで恋愛未経験の私が隣の席の男の子に溺愛されるお話〜春編 Spring 〜
春 ~Spring~
出会い ~Encounter~
私は白鳥楓織《しらとりかおり》12歳。
今年から念願の私立牡丹中学高等学園の生徒になる。
今年の1月に第一志望でここを受験して、見事に首席で受かったのだ。
小学生の頃に塾には行っていたが、特に苦労することなく受験を終えることができた。
色んな人に言われるけど、私は天才らしい。
最初は全然そう思ってなかったけど、最近になって自分は皆と少し違うということを自覚し始めた。
この前、大学卒業論文が載ってる雑誌を読んでたんだけど、友達に「そんなん読んで何が楽しいの?」と言われて自覚した。
でも、これだけはわからない。
私のことを天才という人よりも遥かに上回る人数の人が皆口をそろえてこういうんだ。
「白鳥楓織は、空前絶後の美少女」
私は、全然そんなことないし友達の方が何倍も可愛いと思っているけれど、世間一般では違うみたい。
その辺の感性も私と皆とではまた、少し違うのかな。
なんて過去の思い出に浸ってたら、あと2分で入学式らしい。先生たちが慌ただしく舞台裏で動いている。
なんで舞台裏がわかるかって?
それは、今回の入学式で新入生のお言葉を任されたから。
他にも、あと1人新入生の男の子がいるみたいだけど、その子は2位で受かった子らしい。
今回のお言葉は、セリフの振り分けを決めないといけなかったから、さっきちょっと喋ったときに聞いてみた。
だって、自分がここにいる意味が分からなかったから。
今日から学校かぁって思いながら、クラス確認して教室入ってホームルーム始まって今から入学式に向かうところで、担任の先生に呼び止められた。
そこで言われたもんだから、流石の私でも理解できんよ。
「ご両親に許可とったから知ってると思ってた。」って先生言ってたけど、あの親ならテンション上がってそのまま伝えるのを忘れていたに違いない。
まあ、与えられたものはこなさないとどうにもならないから、やりますか。
入学式が始まった。
ただ吹奏楽部の先輩たちの演奏中に体育館に入場して、校歌斉唱して、校長先生の長ったらしい話を聞いて、新入生のお言葉、退場って流れだから特に複雑な動きもなく、お言葉は私の特技「1回見たら8割は覚えられる」で5回読んで完璧に覚えたから無事に終わった。
気になったことといえば、舞台裏に待機中男の子の視線を感じたけれど。
そのあとは、教室に戻って教科書とかもらったりしただけ。
量が少なくてびっくりしちゃった。あれなら2か月あれば余裕で終わる。
家に帰ったらやろっかな~なんてのんきに考えていたら、いつの間にか終礼に。
終礼が終わって、やっぱ今日は寝よ~なんて考えて帰ろうとしたとき、
「あの~、ちょっと待ってください。」
誰かに声をかけられた気がした。
この学校には知り合いが2人いるけど、全員別のクラスだから違うはず。そう思って振り返ると、さっきの男の子がいた。
私は人見知りをここぞとばかりに発動させて、
「えっと~、な、何か私に用事ですか?」
とうつむきがちに言うと、
「白鳥さん?だっけ、俺は如月碧依《きさらぎあおい》。一応あなたの隣の席だから、仲良くしたいな~と思って。」
さっきの男の子、もとい如月碧依くんはしっかり目を見てそう言った。
「あ、あ~、ってなんで私の名前知ってるんですか⁉」
「なんでって、お言葉のときに呼ばれてたじゃないですか。それ覚えてるだけですよ。1位で受かったのに結構抜けてるんですね?」
あ、なるほど。こういうタイプの人か。苦手なタイプだわ。
いや、まあ抜けてるのは色んな人に言われますよ?でもどうしようもないじゃないですか。だって、自覚してないんだから。
なんて、言葉にできるはずなくて私は、
「あ~、そうなの。私結構抜けてるらしいの。自覚ないからわかんないんだけどね。あ、用事あるからもう帰るね!それじゃあね!」
って言って走って帰った。
今年から念願の私立牡丹中学高等学園の生徒になる。
今年の1月に第一志望でここを受験して、見事に首席で受かったのだ。
小学生の頃に塾には行っていたが、特に苦労することなく受験を終えることができた。
色んな人に言われるけど、私は天才らしい。
最初は全然そう思ってなかったけど、最近になって自分は皆と少し違うということを自覚し始めた。
この前、大学卒業論文が載ってる雑誌を読んでたんだけど、友達に「そんなん読んで何が楽しいの?」と言われて自覚した。
でも、これだけはわからない。
私のことを天才という人よりも遥かに上回る人数の人が皆口をそろえてこういうんだ。
「白鳥楓織は、空前絶後の美少女」
私は、全然そんなことないし友達の方が何倍も可愛いと思っているけれど、世間一般では違うみたい。
その辺の感性も私と皆とではまた、少し違うのかな。
なんて過去の思い出に浸ってたら、あと2分で入学式らしい。先生たちが慌ただしく舞台裏で動いている。
なんで舞台裏がわかるかって?
それは、今回の入学式で新入生のお言葉を任されたから。
他にも、あと1人新入生の男の子がいるみたいだけど、その子は2位で受かった子らしい。
今回のお言葉は、セリフの振り分けを決めないといけなかったから、さっきちょっと喋ったときに聞いてみた。
だって、自分がここにいる意味が分からなかったから。
今日から学校かぁって思いながら、クラス確認して教室入ってホームルーム始まって今から入学式に向かうところで、担任の先生に呼び止められた。
そこで言われたもんだから、流石の私でも理解できんよ。
「ご両親に許可とったから知ってると思ってた。」って先生言ってたけど、あの親ならテンション上がってそのまま伝えるのを忘れていたに違いない。
まあ、与えられたものはこなさないとどうにもならないから、やりますか。
入学式が始まった。
ただ吹奏楽部の先輩たちの演奏中に体育館に入場して、校歌斉唱して、校長先生の長ったらしい話を聞いて、新入生のお言葉、退場って流れだから特に複雑な動きもなく、お言葉は私の特技「1回見たら8割は覚えられる」で5回読んで完璧に覚えたから無事に終わった。
気になったことといえば、舞台裏に待機中男の子の視線を感じたけれど。
そのあとは、教室に戻って教科書とかもらったりしただけ。
量が少なくてびっくりしちゃった。あれなら2か月あれば余裕で終わる。
家に帰ったらやろっかな~なんてのんきに考えていたら、いつの間にか終礼に。
終礼が終わって、やっぱ今日は寝よ~なんて考えて帰ろうとしたとき、
「あの~、ちょっと待ってください。」
誰かに声をかけられた気がした。
この学校には知り合いが2人いるけど、全員別のクラスだから違うはず。そう思って振り返ると、さっきの男の子がいた。
私は人見知りをここぞとばかりに発動させて、
「えっと~、な、何か私に用事ですか?」
とうつむきがちに言うと、
「白鳥さん?だっけ、俺は如月碧依《きさらぎあおい》。一応あなたの隣の席だから、仲良くしたいな~と思って。」
さっきの男の子、もとい如月碧依くんはしっかり目を見てそう言った。
「あ、あ~、ってなんで私の名前知ってるんですか⁉」
「なんでって、お言葉のときに呼ばれてたじゃないですか。それ覚えてるだけですよ。1位で受かったのに結構抜けてるんですね?」
あ、なるほど。こういうタイプの人か。苦手なタイプだわ。
いや、まあ抜けてるのは色んな人に言われますよ?でもどうしようもないじゃないですか。だって、自覚してないんだから。
なんて、言葉にできるはずなくて私は、
「あ~、そうなの。私結構抜けてるらしいの。自覚ないからわかんないんだけどね。あ、用事あるからもう帰るね!それじゃあね!」
って言って走って帰った。
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