偏差値高めで恋愛未経験の私が隣の席の男の子に溺愛されるお話〜春編 Spring 〜
予定よりも少し早く、学校に着いた。この時間帯でも結構人はいるみたい。
この学年は1クラス34〜35人のクラスが6クラスある。全クラス合わせて、206人かな。私の小学校の頃は私の学年の人数は、156人だった。それよりかはちょうど50人多いというところ。でも、そのくらいの人数が中1〜高3まであるから人数は1200人を超える。
校門を潜って、バカでかい校舎の敷地に足を踏み入れる。ここの学校の自慢すべきところはやっぱり、設備の新しさとその大きさだね。
昔、学校オープンキャンパスのイベントに行った時に綺麗なのと大きいのとで、空いた口が塞がらなかった記憶がある。そのくらいnewでbeautifulでbigな中高一貫校なのだ、ここは。
下駄箱で自分の学年出席番号のロッカーを開けて、靴を履き替える。これは、中学と高校の場所は違う。そもそも、古い方はまだ残ってて、設備だけ整えたほうが主に中学校舎。1から作り直して建てたのが高校校舎になっている。だから、中学と高校とではグラウンドや食堂、それこそ校門でしか交わることがないのだ。
そのまま、中央にある階段を登っていって教室に行く。中学校舎は4階建てになっていて、1階が下駄箱や保健室、生徒指導室、用務員室、特別授業用の教室がいくつかあって、2階が中学1年生の階、3階が中学2年生の階、4階が中学3年生の階となる。だから、私は1階の1つ上の階、2階まで上った。
私はクラスを4組に振り分けられたから、中央から向かって右側、正面から見たら左側に折れる。そうすると、直ぐにホームルーム教室にたどり着くことができる。
4組は4個ある34人学級のうちの1クラス。もう2つは35人学級のクラス。
廊下側の右端と窓側の左端は5つ机が並んでいて、その間に6つずつ置かれている机の列が4列ある。廊下から数えて3列目の列と、窓側から数えて3列目の列の間には教卓が1つ挟まれている。
私の席は廊下から数えて3列目、前から数えて3番目の席。今は、出席番号順の席だからこういう席だけど、席替えをしたらまた変わるのかな。そもそも席替えするのかな。
そういうことを考えながら、私は自分の席について朝の準備を始める。
今日からは、3日間4限目までの授業があり、そこで全ての授業のお試しみたいなのをする。まあ、学校が昼までしかないっていうこととなんら変わりはないから、認識はそれでいいかな。
鞄から教科書やら何やらを全て出して、ぼーっと一息ついて席に座る。
そうこうして、クラスの皆んながほとんど揃ってきた。皆んな緊張しているのか教室内は水を打ったように静かだ。
しかし、その静寂は一瞬で破られた。
教室に碧依くんが入ってきたのだ。今まで静かにしていた女の子たちが、
「キャー」
と歓声なのかなんなのかよくわからないが、叫び声をあげる。
結構おとなしいと思っていた人たちがそうした叫び声を急にあげたので、すごくびっくりした。私なんか今まで碧依くんがいなかったことに気がつかなかった。相変わらず、注意力散漫だなぁと思いつつ、皆んなの視線の先にいる碧依くんを見る。
そう言えば、こんなに集中して碧依くんのこと見ることなかったなぁと思う。昨日は人見知りが出ちゃったし、今朝は犬に目線がいっちゃってた。だから、新しい発見がたくさんあるなぁ。
あ、これは女の子が騒ぐ理由がわかるかも。確かに、碧依くんの顔は何処ぞのアイドルですかってくらい顔が整っている。髪の毛は猫っ毛で、脱力系マッシュっていうのかな。長めに伸ばした前髪を軽く横に流している、無造作にセットされた髪。それに大きめな目、高い鼻に、色っぽい唇。
んー、確かに女子受けはいいかもね。でも、本人は凄い嫌そう。雰囲気がなんか今朝話した時と全然違う。今朝は、あんなに笑ってたのに今は無表情。
挨拶、してみよっかな。この五月蝿い中に紛れたら目立たないでしょ。
「お、おはよう、碧依くん。なんか元気ないけど、大丈夫?」
よし、気になっていた事も聞けた。我ながら凄い。自画自賛。
「おはよう、楓織。全然大丈夫だよ。そんな元気無い顔してた?俺。」
碧依くんは、さっきまで無表情だったとは思えないほどの満面の笑みでそう言った。周りの女の子たちの中にはそのキラキラスマイルのせいで倒れている子もいる。碧依くんの力、恐るべし。
「そっか、ならよかった。さっきまで凄く無表情だったから。」
「あー、確かにそうだったかも。でも、全然大丈夫!気にしないで。」
「うん、わかった。」
そこから、帰るまで私たちは会話をすることがなかった。
この学年は1クラス34〜35人のクラスが6クラスある。全クラス合わせて、206人かな。私の小学校の頃は私の学年の人数は、156人だった。それよりかはちょうど50人多いというところ。でも、そのくらいの人数が中1〜高3まであるから人数は1200人を超える。
校門を潜って、バカでかい校舎の敷地に足を踏み入れる。ここの学校の自慢すべきところはやっぱり、設備の新しさとその大きさだね。
昔、学校オープンキャンパスのイベントに行った時に綺麗なのと大きいのとで、空いた口が塞がらなかった記憶がある。そのくらいnewでbeautifulでbigな中高一貫校なのだ、ここは。
下駄箱で自分の学年出席番号のロッカーを開けて、靴を履き替える。これは、中学と高校の場所は違う。そもそも、古い方はまだ残ってて、設備だけ整えたほうが主に中学校舎。1から作り直して建てたのが高校校舎になっている。だから、中学と高校とではグラウンドや食堂、それこそ校門でしか交わることがないのだ。
そのまま、中央にある階段を登っていって教室に行く。中学校舎は4階建てになっていて、1階が下駄箱や保健室、生徒指導室、用務員室、特別授業用の教室がいくつかあって、2階が中学1年生の階、3階が中学2年生の階、4階が中学3年生の階となる。だから、私は1階の1つ上の階、2階まで上った。
私はクラスを4組に振り分けられたから、中央から向かって右側、正面から見たら左側に折れる。そうすると、直ぐにホームルーム教室にたどり着くことができる。
4組は4個ある34人学級のうちの1クラス。もう2つは35人学級のクラス。
廊下側の右端と窓側の左端は5つ机が並んでいて、その間に6つずつ置かれている机の列が4列ある。廊下から数えて3列目の列と、窓側から数えて3列目の列の間には教卓が1つ挟まれている。
私の席は廊下から数えて3列目、前から数えて3番目の席。今は、出席番号順の席だからこういう席だけど、席替えをしたらまた変わるのかな。そもそも席替えするのかな。
そういうことを考えながら、私は自分の席について朝の準備を始める。
今日からは、3日間4限目までの授業があり、そこで全ての授業のお試しみたいなのをする。まあ、学校が昼までしかないっていうこととなんら変わりはないから、認識はそれでいいかな。
鞄から教科書やら何やらを全て出して、ぼーっと一息ついて席に座る。
そうこうして、クラスの皆んながほとんど揃ってきた。皆んな緊張しているのか教室内は水を打ったように静かだ。
しかし、その静寂は一瞬で破られた。
教室に碧依くんが入ってきたのだ。今まで静かにしていた女の子たちが、
「キャー」
と歓声なのかなんなのかよくわからないが、叫び声をあげる。
結構おとなしいと思っていた人たちがそうした叫び声を急にあげたので、すごくびっくりした。私なんか今まで碧依くんがいなかったことに気がつかなかった。相変わらず、注意力散漫だなぁと思いつつ、皆んなの視線の先にいる碧依くんを見る。
そう言えば、こんなに集中して碧依くんのこと見ることなかったなぁと思う。昨日は人見知りが出ちゃったし、今朝は犬に目線がいっちゃってた。だから、新しい発見がたくさんあるなぁ。
あ、これは女の子が騒ぐ理由がわかるかも。確かに、碧依くんの顔は何処ぞのアイドルですかってくらい顔が整っている。髪の毛は猫っ毛で、脱力系マッシュっていうのかな。長めに伸ばした前髪を軽く横に流している、無造作にセットされた髪。それに大きめな目、高い鼻に、色っぽい唇。
んー、確かに女子受けはいいかもね。でも、本人は凄い嫌そう。雰囲気がなんか今朝話した時と全然違う。今朝は、あんなに笑ってたのに今は無表情。
挨拶、してみよっかな。この五月蝿い中に紛れたら目立たないでしょ。
「お、おはよう、碧依くん。なんか元気ないけど、大丈夫?」
よし、気になっていた事も聞けた。我ながら凄い。自画自賛。
「おはよう、楓織。全然大丈夫だよ。そんな元気無い顔してた?俺。」
碧依くんは、さっきまで無表情だったとは思えないほどの満面の笑みでそう言った。周りの女の子たちの中にはそのキラキラスマイルのせいで倒れている子もいる。碧依くんの力、恐るべし。
「そっか、ならよかった。さっきまで凄く無表情だったから。」
「あー、確かにそうだったかも。でも、全然大丈夫!気にしないで。」
「うん、わかった。」
そこから、帰るまで私たちは会話をすることがなかった。