偏差値高めで恋愛未経験の私が隣の席の男の子に溺愛されるお話〜春編 Spring 〜
はぁ〜、ついにやってきてしまった、この時が。


悪魔の時間、身体測定だ。


「おやおや、自分の身長がわかるのがそんなに嫌ですか、楓織さん?」


「もぉ〜、翔央ちゃんからかわないでよ〜(泣)こっちは大変なんだから!」


「あはは、ごめんごめん。だって、楓織があまりにも深刻そうな溜め息吐くから。」


「もう!笑い事じゃありません!ってえ?私、溜め息吐いてた?」


「うん、凄い。」


どうやら、この気持ちは心の中だけでは収まらなかったらしい。


「白鳥、そんな落ち込むなって。多分、どんなお前でも碧依は…「それ以上言ったら殺すぞ。」


「実琉はそもそも楓織に話しかけんな。必要性皆無だろ。」


「相変わらずの独占欲ですね〜、碧依くん。これは事務連絡ですぅ〜。そんなに独占欲丸出しだったら、白鳥に嫌われちゃうよ〜。」


ん?なんで私なんだ?


2日前、翔央ちゃんと再会?を果たしてから、私たちは行動を共にするようになった。


クラスの中では、美男美女のグループって有名だったけど、瞬く間にそれは学校中に広まることとなり、現状私たちのことを知らない人はいないほどらしい。中学生ならまだしも、高校生も知っているんだとか。


たったの1日でここまで知れ渡るとか怖いね、噂って。


でも、翔央ちゃんも夏方くんも碧依くんも美男美女なのはわかるけど、なんで私も何だろ?


そう思って、昨日翔央ちゃんに聞いてみたら、『何言ってんの!1番可愛いのは楓織でしょ!』って言われた。よくわからなかったから、わかろうとするのはもう諦めた。


でも、この4人で話をする度にいっつも、碧依くんが私に〇〇〜って感じなの。何が言いたいかよくわからないけど、慣れてしまった。だからもう、深追いはしない。




それから、身体測定についての説明を受けてやっていく。


ついに、身長を測られる時が来た。これは、測った後すぐに見ずに、後で皆んなとせーので見せ合う約束してるんだ。


それから、何やかんやして、皆んなと合流した。そして…


「「「「せーの!」」」」


どんっ!


……………


結果から言うと、


碧依くん、5cm伸び、162.5!


翔央ちゃん、4cm伸び、155.2!


夏方くん、5cm伸び、162.7!


そして…


楓織、0mm伸び、145.5!


「これは、、、酷い。酷いよ〜。翔央ちゃん、助けて〜。」


「え、えっと、身長はどうしようもないから、頑張ろうね?大丈夫、いつか伸びるから。」


「そ、そうそう、白鳥もいつかは絶対伸びるって!」


「楓織、大丈夫だよ?」


皆慰めてくれるけど、くれるけど、


「皆、沢山伸びてるじゃんか~!この裏切り者~!」


そう言って、私は機嫌を損ねてしまった。









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