偏差値高めで恋愛未経験の私が隣の席の男の子に溺愛されるお話〜春編 Spring 〜
3日目。


ゴールデンウィークは今日入れてあと2日しかない。


今日は英語をやるそう。


でも、これが1番ヤバい。翔央ちゃんは英語がめっきりできないの。


「だーかーらー、Iのbe動詞はamで、HeとSheのbe動詞はis。YouとTheyのbe動詞はareだって!」


もう基礎の基礎から駄目らしい。


be動詞は結構重要。一般動詞とごちゃごちゃにならないように気をつけないと英語はできないからね。


「あー、もう!駄目だ!俺1人じゃどうにも出来ねぇ。おい、そこでイチャイチャしてる奴ら!…白鳥と碧依。こっち手伝え!」


あ、ついに助けを求めてきた。


ってかまたイチャイチャって…してるつもりはないんだけどな。


私が教科書とか読んでる時に、隣の席で私の髪を碧依くんが指でくるくるするとかしてただけなんだけどな。


まぁ、私の許可は無いけど。


「人様に頼み事をするような態度じゃねーなぁ。もうちょっと、柔らかく頼めねぇのか?」


「お前、白鳥が関わってくる時だけキャラ変わるのもうやめろ。怖いわ。これで、相手気づいてないのは同情するけどよ。」


ん?また、よくわからない話をしてるなぁ。最近、よくこういう事があるんだよね。私が関わると碧依くんのキャラが変わるとか意味がよくわからない事を話してるから入っていけないんだよなぁ。


「楓織〜、教えて〜。実琉がスパルタだよ〜。たまには、天使からも教えてもらわないと私のメンタルが保たないよ〜。」


翔央ちゃんが泣きそうな状態で懇願してくる。辛いんだろうな。勉強が好きじゃないから。


「うん!いいよ〜。具体的にどんな所が引っ掛かってるの?」


「う〜、天使さまぁ。えーっとね、こことここがなんでこうなるのかってところで…」


「あ〜、ここね初めは躓くよね。此処はね…」


私が翔央ちゃんに教えている間、夏方くんは日当たりの良いところで寝ていて、碧依くんは相変わらず私の髪をくるくるしていた。


飽きないのかな。夏方くんもお疲れだったんだろうなぁ。此処は私が頑張らなきゃ。


それから6時間くらい経って、夏方くんが復活した。


私が教え始めたのが10時くらいだったから、今は16時過ぎ。


「あ!実琉、やっと起きた!ねぇねぇ、ここの問題私1人でできたんだよ!すごくない⁉︎」


「おっ、すげーじゃん!あんなにできなかったのに、数時間でここまで変わるもんなんだな。白鳥、センキュ。」


「ううん、頑張ったのは翔央ちゃんだから、私は何もしてないよ〜。」


「いやいや、楓織が分かりやすくかつ根気強く桧山に教え続けたんだから楓織の功績だよ。」


「あ、碧依くん⁉︎さっきまで一言も発さなかったのに…」


「ほんと、お前って白鳥のことになるとキャラ変わるよな。」


「気にすんな。」


碧依くん、本当にこの6時間、必要なこと以外何にも喋らなかったのに夏方くんの言葉には反応した…幼馴染パワーかな。


こうして、3日目は終わった。







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