偏差値高めで恋愛未経験の私が隣の席の男の子に溺愛されるお話〜春編 Spring 〜
次の日。体育祭当日。


私たちは今、グラウンドにいる。相変わらず暑い中。


「楓織は、クラス対抗リレー以外には何でるの〜?」


今日も元気いっぱいな翔央ちゃんが私に問いかける。


「綱引きに出るよ〜。」


「え〜、楓織運動神経も抜群なんだから徒競走に出たらいいのに。」


「それだと予選と本戦があるから嫌なんだよね。」


「あ〜、でもそっか〜。なら、午前に綱引きで午後にクラス対抗リレー出るんだね。」


「そうそう。」


こんな暑い中、日差しに照りつけられてたら本当に熱中症になる。


だから、少しでもテントから出なくていいように出る種目を考慮したの。


「でもなぁ、楓織50m走7秒台だったっしょ?だからちょっとは期待してたんだけどなぁ。ま、クラス対抗リレーで期待しとくよ。」


「うん、ありがとう翔央ちゃん。」


翔央ちゃんに応援されてたら私も頑張らないと。


「おい、今ひーちゃんが言ったことに間違いが無ければ、白鳥お前、50m走7秒台なのか!?いくらなんでもそれは速すぎだろ。」


「普通女子の平均って、ギリ9秒きってるくらいだろ⁉︎この時期って。そんな中、7秒台とかヤバっ。」


確かに、体育の先生も中1でこれは凄いって言ってた気がするな。


「俺でもギリ8秒きったって感じだぞ。楓織はなんでもできるんだな。これからに期待だな。」


あ、なんか今胸がズキってなった。


なんでもできる、なんでもできる、なんでもできる…


これからに期待、これからに期待、これからに期待…


ああ、駄目。もう考えないようにしよ。


「でも、楓織は自分がしたいのすればいいと思うよ。俺らに決める権利無いし。」


「そそ、それでいいんだよ〜。」


「ありがとう。」


今の言葉で少し胸が軽くなった。


午前


今から綱引きに出る人は集まってください、というアナウンスが流れた。


「じゃあ、行ってくるね。」


「「「行ってらっしゃい。」」」


3人の友達にお見送りされてグラウンドの隅へ向かう。


そう言えば、入学当初はこんなことになるなんて想像もしてなかったなぁ。


お言葉を一緒にした碧依くんと登下校を共にしたり、


私には記憶が無い友だちと再会したり、


その友だちに彼氏がいたり、


今はその4人で行動していたり…


でも、今が楽しいからそれはそれでいいよね。





「ふぅ、疲れた〜。」


「楓織お疲れ様〜。」


皆んなの声援を受けながら頑張った綱引きは私のグループが堂々の1位!


因みに一応色で分かれてるみたいで、1・2組が青、3・4組が赤、5・6組が緑らしい。


だから、グループっていうのは中1〜中3の3・4組、つまり赤組総出で競技を行ったってこと。


そこで1位取れたから嬉しいよね。


午後のクラス対抗リレーも頑張ろ。


そう思って、他の競技を応援した。








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