偏差値高めで恋愛未経験の私が隣の席の男の子に溺愛されるお話〜春編 Spring 〜
いよいよ本番クラス対抗リレー。
ついさっきの種目、大縄では放送で
「さあ、昼休みに唯一練習していた4組その成果は果たして…⁉︎」
とか言われてたことに返事するように圧勝してた。
中3の先輩方と同じくらいの回数跳んでたんだ。凄いよね。
そんなこんなでいい波がきてるから、ここを逃す訳にはいかない。
コンディションばっちり。うん、これならいい走りができそう。
パンッ
入場して間も無く、始まりのピストルが鳴った。
走る順番は出席番号順。
ほえー、皆んな結構速いなぁこのクラス。勉強だけじゃなく、運動もできるのか。負けてられない。
あ、碧依くんにバトンが渡った。うわー、速い。確か碧依くんも50m走7秒台なんだよね。
そうこうしているうちに私の番が来た。
結構皆んな速かったから、予想してたよりも速く順番回ってきたなぁ。
さっ、頑張ろ。前の子からバトンを受け取って、走り出す。
距離はグラウンドの半周。今現在の4組の順位、4位。真ん中よりも1個下。
まぁ、しょうがないか。さっきバトンの受け取りミスが発生してたし。ここから私が追い抜けば問題無いし。
うーん、全速力出そ。この距離なら、それでも全然体力余る。
そうして、1人、また1人と抜かしていく。
そしてついには、1位におどりでた。
大差をつけて。
次の子にバトンを渡して、走り終わった子たちの待機所に行くと、声援の嵐。
「白鳥さん凄い!」
「勉強も運動もできるなんて優秀過ぎ!」
なんて声が聞こえる。
嬉しいけど、同時に胸が苦しくなる。何でだろ。
「楓織、走り凄く良かったよ。良かったけど…」
私が待機所のパイプ椅子に座るなり、碧依くんが声をかけてきた。
「なあに?」
「楓織、足捻ったでしょ。」
「っ!?いや、大丈夫!見間違いじゃない⁉︎全然、ほら、健康だから!」
うー、碧依くん、何を言い出すかと思えば、私が足を捻ったなんて…
いや、実際捻ってるけども。何でそんなとこまで見てるの〜。うう、恥ずかしい。どうにか誤魔化せないかな。
「いや、俺の目が間違うはずない。ちょっと左足見せてごらん。」
「いや、本当の本当に大丈夫だから!何も心配しなくていいよ!」
「大丈夫だとしても、ちゃんと見ておきたい。実物見たほうが早いから。」
「うー、わかったよぉ。」
碧依くんの目は誤魔化せないと悟った私は仕方なく左足首を見せた。
「うわ、やっぱ腫れてるじゃん。結構いっちゃった感じ?大丈夫?歩ける?」
「歩けは、する…」
バレたー。やっぱり隠せなかった…
そう、私、グラウンドの弧になっている部分を走っているときにスピード間違えて、勢い殺しきれずに捻っちゃったんだよね…
「取り敢えず、保健室行こ。あーでも、養護テントの方がいいのかな。いや、やっぱ保健室行こ。」
「う、うん。わかった。」
「歩ける?痛かったら言って?」
「全然歩ける…痛っ!」
「ん、これ以上悪化させないためにも仕方のないことだと思ってね。」
「ふぇ?」
な、な、何この状況⁉︎え⁉︎ちょっと待って、1回、1回整理させて。
えーと、私が碧依くんにお姫様抱っこされてる…???
って、今は誰もいないからいいけど、これ誰か来たらどうするの⁉︎
「はい、着いた。」
私があたふたしていたらいつの間にか、着いた。
碧依くんの腕の中から優しくベッドに降ろされる。
「んー、やっぱり先生いないね。狙った通りだけど。ま、取り敢えず、湿布とー、保冷剤とー、固定テープでなんとかなるか。」
そう言って、碧依くんは引き出しから物を取り出す。こっちに向かってきた。
「痛かったら言ってね〜…わ、さっきよりも酷くなってる。あそこからよくテントまで歩いてこれたね。」
「休憩するまで痛み感じてなかったから。」
「あー、よくあるよねーその現象。はい、できた。」
「ありがとう、手際いいね。」
「まぁ、色々あって慣れてるし。」
「ふーん、あそうだ。言いたいことあったんだ。」
「何?」
そう言って、私の隣に碧依くんが腰掛ける。その重みでベッドがギシっと音を立てた。
「今日ね、一緒に帰れないの。」
「は?何で?」
「えっとね、翔央ちゃんとね、放課後過ごすから今日は無理なの。でも、実琉くんはそのかわりにフリーになると思うよ。」
「ふーん、俺は別にいいけど。でも、桧山と過ごすにしてもその足で大丈夫?」
「あっ、確かに。でも、気合で放課後までには治す。」
「気合って…楓織ってたまに根性論になるよな。」
それからは特に何事もなく、平穏な体育祭を過ごせた。
ついさっきの種目、大縄では放送で
「さあ、昼休みに唯一練習していた4組その成果は果たして…⁉︎」
とか言われてたことに返事するように圧勝してた。
中3の先輩方と同じくらいの回数跳んでたんだ。凄いよね。
そんなこんなでいい波がきてるから、ここを逃す訳にはいかない。
コンディションばっちり。うん、これならいい走りができそう。
パンッ
入場して間も無く、始まりのピストルが鳴った。
走る順番は出席番号順。
ほえー、皆んな結構速いなぁこのクラス。勉強だけじゃなく、運動もできるのか。負けてられない。
あ、碧依くんにバトンが渡った。うわー、速い。確か碧依くんも50m走7秒台なんだよね。
そうこうしているうちに私の番が来た。
結構皆んな速かったから、予想してたよりも速く順番回ってきたなぁ。
さっ、頑張ろ。前の子からバトンを受け取って、走り出す。
距離はグラウンドの半周。今現在の4組の順位、4位。真ん中よりも1個下。
まぁ、しょうがないか。さっきバトンの受け取りミスが発生してたし。ここから私が追い抜けば問題無いし。
うーん、全速力出そ。この距離なら、それでも全然体力余る。
そうして、1人、また1人と抜かしていく。
そしてついには、1位におどりでた。
大差をつけて。
次の子にバトンを渡して、走り終わった子たちの待機所に行くと、声援の嵐。
「白鳥さん凄い!」
「勉強も運動もできるなんて優秀過ぎ!」
なんて声が聞こえる。
嬉しいけど、同時に胸が苦しくなる。何でだろ。
「楓織、走り凄く良かったよ。良かったけど…」
私が待機所のパイプ椅子に座るなり、碧依くんが声をかけてきた。
「なあに?」
「楓織、足捻ったでしょ。」
「っ!?いや、大丈夫!見間違いじゃない⁉︎全然、ほら、健康だから!」
うー、碧依くん、何を言い出すかと思えば、私が足を捻ったなんて…
いや、実際捻ってるけども。何でそんなとこまで見てるの〜。うう、恥ずかしい。どうにか誤魔化せないかな。
「いや、俺の目が間違うはずない。ちょっと左足見せてごらん。」
「いや、本当の本当に大丈夫だから!何も心配しなくていいよ!」
「大丈夫だとしても、ちゃんと見ておきたい。実物見たほうが早いから。」
「うー、わかったよぉ。」
碧依くんの目は誤魔化せないと悟った私は仕方なく左足首を見せた。
「うわ、やっぱ腫れてるじゃん。結構いっちゃった感じ?大丈夫?歩ける?」
「歩けは、する…」
バレたー。やっぱり隠せなかった…
そう、私、グラウンドの弧になっている部分を走っているときにスピード間違えて、勢い殺しきれずに捻っちゃったんだよね…
「取り敢えず、保健室行こ。あーでも、養護テントの方がいいのかな。いや、やっぱ保健室行こ。」
「う、うん。わかった。」
「歩ける?痛かったら言って?」
「全然歩ける…痛っ!」
「ん、これ以上悪化させないためにも仕方のないことだと思ってね。」
「ふぇ?」
な、な、何この状況⁉︎え⁉︎ちょっと待って、1回、1回整理させて。
えーと、私が碧依くんにお姫様抱っこされてる…???
って、今は誰もいないからいいけど、これ誰か来たらどうするの⁉︎
「はい、着いた。」
私があたふたしていたらいつの間にか、着いた。
碧依くんの腕の中から優しくベッドに降ろされる。
「んー、やっぱり先生いないね。狙った通りだけど。ま、取り敢えず、湿布とー、保冷剤とー、固定テープでなんとかなるか。」
そう言って、碧依くんは引き出しから物を取り出す。こっちに向かってきた。
「痛かったら言ってね〜…わ、さっきよりも酷くなってる。あそこからよくテントまで歩いてこれたね。」
「休憩するまで痛み感じてなかったから。」
「あー、よくあるよねーその現象。はい、できた。」
「ありがとう、手際いいね。」
「まぁ、色々あって慣れてるし。」
「ふーん、あそうだ。言いたいことあったんだ。」
「何?」
そう言って、私の隣に碧依くんが腰掛ける。その重みでベッドがギシっと音を立てた。
「今日ね、一緒に帰れないの。」
「は?何で?」
「えっとね、翔央ちゃんとね、放課後過ごすから今日は無理なの。でも、実琉くんはそのかわりにフリーになると思うよ。」
「ふーん、俺は別にいいけど。でも、桧山と過ごすにしてもその足で大丈夫?」
「あっ、確かに。でも、気合で放課後までには治す。」
「気合って…楓織ってたまに根性論になるよな。」
それからは特に何事もなく、平穏な体育祭を過ごせた。