偏差値高めで恋愛未経験の私が隣の席の男の子に溺愛されるお話〜春編 Spring 〜
全種目が終わって、閉会式。


なんと、私たち赤組が1位!やったね、頑張った甲斐がある。


そのあと、終礼が終わって、翔央ちゃんとの約束の時間。


足の痛みは少し引いていた。


「楓織〜、ごめん。遅くなって。実琉に先帰ってって納得させるのに凄く時間かかった!」


実琉くん、翔央ちゃんと一緒がよかったんだろうなぁ。ごめんね、実琉くん。


「あと、足大丈夫⁉︎あとから如月に聞いて、びっくりしたよ!」


「今はね、だいぶ痛みもひいてるよ。少しくらいなら歩けそう。」


「よかった〜。あれ、でも、今で少ししか歩けないってことは捻ったときは歩けなかったの?どうやって、養護テントまで行ったの?」


あ、翔央ちゃんには言ってない…言いづらいなぁ。


「あう、えっと…」


「まぁいいや、これから時間たっぷりあるし。」


「そういえば、何するの?」


「ふふん、聞いて驚け見て笑え。今から青春の代表とも言える、違法行為、『二人乗り』をするぞ。」


「普通に駄目じゃない?それ。あと、自転車は何処で調達するの?」


「それは、私が自転車通学をしているため、マイペンライ。」


「マイペンライって何?」


「タイ語。それ以上の説明はややこしいから、後でググってね。」


ふーん、二人乗りねぇ。普通に違法行為。でも確かに青春といえば感はある。足にもそんな影響無さそうだし…


「あ、もしかしなくても私は後ろに乗る側だよね?」


「もちろん、そのつもり。しかも、段差で痛くならないように、100均で座布団も買ってきたんだよ。用意周到でしょ。」


なぜその熱量を勉強に生かさないのか不思議だけど、1回だけなら…いいかな…


「1回だけなら許す。」


「ほんと!じゃあ早速、乗ってください!」


「うん、わかった。」


翔央ちゃんの自転車に乗ろうと、足を伸ばすも、中々微妙な高さ。


「楓織~?大丈夫~?届く~?」


「私だってこのくらいは何てことないもん。」


ちょっと危なっかしく、乗れた。


「いけたね。じゃあしゅっぱ〜つ!」




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