君が月に帰るまで
お父さまは、一週間で地球で住むあぱーとを決めてきた。付き添いの朔が隣の部屋に住んで、地球での生活が始まった。
あぱーとのわんけーの部屋で、一人暮らし。向田と一緒に何度かキッチンに立ったので、ガスコンロ、水道などの使い方はなんとかできた。掃除に洗濯はまったくもってはじめてのこと。
洗濯機に洗剤を入れすぎたり、コンセントも知らないものだから、掃除機のスイッチが入らないと騒いだり。もうめちゃくちゃ。お父さまは全部お見通しだったのだろう。
それでも、2週間もすれば、それなりに使い方にも慣れてきた。近所のスーパーへ買い物に行けば、顔見知りになった店員さんとおしゃべりすることもある。朔から安全管理についての説明もあった。悪いことをするひとがいるから、鍵とチェーンを必ずかけること、夜で歩く場合は防犯ブザーを持つこと。
困ったときは交番に行くこと。
110番などは、はじめにも教えてもらっていたので分かる。スマホを買って使い方を覚え、もう頭はパンク寸前。さすがに無理がたたったのか、3週間目は寝込んでしまい、月からお付きのものが来てくれて、なんとか回復した。