if…運命の恋 番外編Ⅱ『運命の出会い』

「えッ?」
『・・・』

互いの視線がモロに絡みあう。
彼の方は、道端に倒れている私をみつけ、声もだせないぐらい驚いているのだろう。私は写真ではない彼に、覚悟する時間も取れずに会って動揺していた。
彼が私の座っている場所まで来て、手を差し出すと、

『大丈夫ですか?』
「あッはい、、いいえ」

焦った私の答えに少しだけ困った顔をすると
『怪我してるね?立てそう?』そういうと私の腰を支えようとしたため、慌てて
「大丈夫です!立てます!!」とスクッと立ち上がった。
「ありがとうございます!」

私の大きな声が響いて、彼が驚いたように私を見下ろすと、少しだけ微笑んだ気がした。
写真では気づかなかったが、私も立ってみて、彼を横にしたら結構な身長に見下ろされた。そりゃ、私155センチだもの。どう見積もっても、彼との差が30センチ近くある。 そしたら、近くで低くて少し優し気な声がした。

『それにしても、、まずは手当しなくちゃだな』

そういうと、玄関の方に彼が歩き出す。私はその場に立ったまま意味が分からなくて、、彼が私に振り返り『こっちに来て』と呼んだ。

いやいや、、普通なら呼んだからって行きませんよ。でも今日は貴方に会いに来たのですから。
私は彼が促すままに玄関の中に入った。


玄関でヒールを脱ぐと、小さく「お邪魔します」と声をだす。
彼は私に『こっちに来て』と言い残すと、さっさと先を急ぐ。

ちょっと待ってよ。
始めて来た他人様のご自宅なのだから、ちゃんと誘導してよ!! って心で叫びながら、慌てて彼の方に歩き出すと、横をキョロキョロしてたから、ドアの前で止まっていた彼の背中に顔をぶつけてしまう。
大失態だ!!

「きゃ!」『わぁー何?!』


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