if…運命の恋 番外編Ⅱ『運命の出会い』
私は昔からスジの通らない事が大嫌いで、それから奥歯に物がはさまったようなモノの言い方も苦手で。
だけど、この微妙な関係をストレートに聞くのもどうかと思う。 だけど、私って彼の何なの? 行儀見習いとして、片瀬の家に来てから数日が過ぎた頃、漠然と私の頭にその疑問が芽生えて来た。
それは、彼の周りの女性たちに関係がある。
確かに私も認めている通り、彼の容姿は素敵だ。眉目秀麗さは、彼がお父様から受け継いで来た遺伝子だろう。
彼にみつめられると、どくんと大きく心臓が跳ねる。これは私だけではなさそうだ。この医院に来る女性の大半がそうだと自信を持って言える。
何気に触れられたりしたら、ドキドキが止まらずへたり込みそうになる。
病状を説明しているのに、落ち着いていて艶のあるバリトンボイスに頬が熱を持っていくし、彼の端正な顔に見とれそうになって、はっとした。 そんな女性がこの医院の中にはゴロゴロしてるのだ。
「お話があります」そう言って彼と話をしようと思った。
ホントのところ、そこんとこどうなの?
『何が聞きたい?』
「はい?」
『なんか、俺に聞きたそうな顔してるから』
まさか、本心が顔に書いてあるとでも? そんなわけあるか!!
「ここに来て、もう3週間です。私はいつまでここに居れば良いのでしょう」
そうそう、、どう?私はあなたにとって必要な女なのよね?
『もうそんなに経った?』
「はい、、もう、そうです」
『君は京都に帰りたい?』
そー来るか! 自分の意見じゃなくて、私の意向を聞こうとは!