if…運命の恋 番外編Ⅱ『運命の出会い』
「私が帰ったら、勇さん困りますよね?」
そうそう、2週間を過ぎるころから、彼の事、名前で呼ぶようになりました。
女性の患者さんへの牽制です。
『困ると言えば、、困るけど』
「でも、勇さんって主に女性の患者さんから大人気ですから、お見合いしないでも綺麗なお嬢さんがお嫁さんに来るんじゃないですか?」
『、、、、そう思ってるんだ?』
「そう思えますよ。あんなにアプローチされてるんですから」
勇さんは、軽く開いた長い脚に片肘をつき、こちらを覗き込んで、
くくっと喉で笑う。完全に人をバカにしている。
「な、なんで、笑うんですか!」
って、、彼が笑った。 今まで笑うなんて事なかったのに。
『いや、、ごめん。何だか面白くて』頬杖をついた顔が、ぱっとこちらを見た。
『君が帰ると確かに困るな。だけど、君は帰りたいみたいだし、、』
「私は帰りたいだなんて、一言も言ってないじゃないですか!」
おっと! わっ、馬鹿だわたし、、余計な事、言ってる?!
『ん? それじゃあ、ここに居てくれるってこと?』
「まぁ、どうしてもッて言うなら、、」
『そうか、、じゃあもう少し、ここに居て貰おうかな?いい?』
彼の探るような目に一気に頬が紅潮した。すると彼は声を落として、事務連絡をするかのように平然と言った。
『結婚はどうする?』
一瞬きょとんとしてから相槌を返した
「結婚?とは」呟いて首を傾げる
結婚を口にして、しかしどこか私を挑発するような視線を向けてくる。