if…運命の恋 番外編Ⅱ『運命の出会い』

「すみません、勇さん、お昼の準備できています」

私のそんな声に、中にいた女性(ひと)と彼は私の方に視線をむける。私は何も聞いていなかったようにニコって笑顔をむけるのが良いだろう。そう考えて今出来る限りの笑顔を作った。

「あっ、、とにかく、私は諦めません」
その女性は彼にそう言うと、私の方に鋭い視線を向けて診察室を出て行く。
スラリとした美人で、通り過ぎる時、真っ直ぐなストレートの髪をなびかせて颯爽と歩いて行った。誰だか気になる。
きっとこんな綺麗な女性が彼には似合ってるんだろう。
つい口をついて出てしまう。

「綺麗な女性(ひと)ですね、、」
『ああ、うちに出入りしてる薬屋だ』
彼はなんでもないような顔で淡々と私に伝えてくる。





その後、一緒にお昼ご飯を食べたのだけど、さっきの話に触れてこない彼がずるいって思った。

『このうどん、、誰が汁の味付けを?』
「私です」
『へぇ~美味いな』
「褒めていただけて、ありがたいです。私はただの行儀見習い(花嫁修業)ですから。」
 
どうにもさっきの事が引っ掛かり、ムッとした顔で意味深な返答をしたのは、自分でも自覚していた。だけど、それが彼にも気に障ったようで、大きなため息をつくと私に視線をむける。

『さっきの聞いたのか?』
「はぁ?何をですか?」
『いや、、聞いてないならいい』
「聞いていましたよ! 私がお飾りだって!」

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