if…運命の恋 番外編Ⅱ『運命の出会い』
水を含んで重くなった洗濯物を頭上に上げた
と同時にバランスを崩して、私の身体が乗っている脚立が大きく動いた。
「あッ!! きゃぁー」
『危ない!』
転落しそうな私の身体が宙に浮いた。
私は咄嗟にその洗濯物を手放して、変わりに目の前に来た彼の身体に飛び込んだ。それも極自然に。
手に持っていた重い洗濯物が地面に落ちると、暫く固まった。
彼に抱きついて、身体に廻した腕が動かない。
私の耳元に顔を寄せて冷静な声が聞こえた
『あのさ、もう、離していいよ』
「あッ」
彼の身体から腕を離すと、ゆっくりと私の身体を降ろして、
地面に落ちた洗濯物を拾ってくれた。
「あの、、ありがとう」
そこへ 彼のお母さんがやって来て、私たちの微妙な雰囲気を感じたのか、冷たく私に言って来た。
「まぁ、まったく洗濯さえ出来んの?!春子さん
実家ではどげん教育されてきたんかしら?」
「・・・すみません」
何にも反発出来ない。洗濯だってほとんどやった事がなかったのは本当だから。