if…運命の恋 番外編Ⅱ『運命の出会い』
「さぁ・・そろそろ俊を起こして来て頂戴ねッ! 朝ご飯にしましょ」
「はい」
そう言ってるところに、俊が眠そうな顔してキッチンへ入って来た。
『おはよ~』
「あら、おはよう。今、貴方を起こしてって言ってたトコよ。それじゃ私はお父さん、起こしてくるわね」
お義母さまがキッチンから出て行くと、俊が私の横に座って来た。
そして私の方に身体ごと向けると私の顔を覗き込む。
『薫、おはよ』
「おはよう」
『・・・・』
「?・・・ん?」
彼は優しい眼差しで私の瞳を見つめていた、そして少しだけ微笑む。
『ん?じゃないよ、キスは?』
「俊ってば、ここじゃぁ、ダメでしょ」
『いやだね、ほらッ、早く!』
躊躇してる私にイジワルな顔をして俊が言う
『君からしないなら僕からしちゃうよ! それも濃厚なヤツ、イイの?』
私はリビングの先の方を見てから、彼の頬に短くチュとキスをした。
「もう~~じゃあ、ハイ cyu!」
本当に素早く、かる~く彼の頬に触れるか触れない感じでキスをしたら、彼の手が私のうなじに回されて、その腕にぐいっと引き寄せられた。
そして容赦なく私の唇を奪う。
なが~~くて甘~~いキスの後で頬を染める私。
「もう、俊ったら」
『ちゃんとキスしてくれないからだよ』
そんな風にふたりで盛り上がってるところに急に声がした。
「ね~~~え、もうイイかしら? ご飯冷めちゃうんだけどぉ~?」
それはお義母さまの声で、あの濃厚なの見られた?もう恥ずかしいやらで、さすがに俊も慌ててる。
『あっ! ああ、はははッ、、いいよ~』
リビングにはお義母さまとお義父さまが一緒に入って来て、私たちはキッチンからリビングに向かう。ふたりとも少しだけ照れているのか、私たちと視線を合わさない。
そしてお義母さまが意味深な言葉を言った。
「うふふッ 懐かしいわぁ~! 昔のようだわ。ねぇ、お父さん?!」
私と俊がそんなお義母さんの言葉に顔を見合わせて、お義父さんを見ると、私達に顔を見られないように新聞でカバーしていた。
そして、お義母さまが更に言った言葉に、なるほどと微笑んだ。
「私達もお祖母ちゃんに良く言われたわねぇ」