if…運命の恋 番外編Ⅱ『運命の出会い』

あの日、私の心配は美容院へ行って着付けをして貰っている最中も
大きく膨らんで膨らんで、それで等々、近くの喫茶店に一時避難したんだもの。

次の日曜日、私は一大決心をした。
私の大事な時間を使って、京都から福岡まで新幹線に乗りこんだ。
私は昔から思い立ったら即行動していたから、自分では当たり前だったけど、両親からしたら、何を考えて?とまた叱られるかもしれない。それでも、一度は会ってごめんなさいを伝えるべきだと思っていた。

”片瀬 勇さん、えッと、、、2丁目、10の・・”
方向音痴の私が その相手の家を探してここまでやって来た。

「駅前の騒がしいところから、ええっと二つ目を右で、、あれ?」
ここ辺りなのだけど、門の中を覗き込むと突然に大きな犬が私に向かって吠えた。

”ワンワン! ウ~ッ ワンワン”

突然の唸り声と吠える声に、慌てた私は走って逃げようとして道端に転んでしまう。

「きゃ~」
”ワンワン! ウ~ッ ワンワン”

ツイテないし、痛い。真っ白のワンピースが泥に染まってしまった。
肘を擦りむいてしまったみたいで、ズキンズキンと痛みがある。
道に座り込んだ私の見上げた丁度家の表札に『片瀬』の文字があった。

「ああ、、みつけた」



こんな格好で家に突然に訪問したら、驚くだろうし、とっても失礼かしら? 
だけど、せっかく意を決して来たのだから、ここで帰るわけにはいかない。
立ち上がろうとした時、向かおうとしていた玄関がス~ッと開いて、男性が出て来た。

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