クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
斑のやさしさ
降りたったときは涼しかった山の気温も、昼を過ぎる頃には、照る太陽に肌がじりじりと焼かれるような外気に変わっていた。
バーベキューを終えて片づけも済ませ、最後の山場がこれから始まる。
『マップと用紙は行き渡りましたか?』
拡声器に向かって精一杯の大声を絞りだすわたし。
遠足委員として、480人の前に立って説明をしなくてはいけない。
企画立案よりもこういう仕事のほうが苦手。緊張する。
でも、しっかり役目を果たさないと。
これから行われるのは、みんなで練りに練ったレクリエーション──スタンプラリーだ。
だけど、ただのスタンプラリーじゃない。