クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
じんと熱を持つ頬。
痛……くはないんだけど。
わかんない。
よくわかんないけど、心がチクッとする。
それもイヤなチクチクじゃなくて、胸が高鳴るようなそんな痛み。
──なににも興味を示さない。
──どんなときも冷静でいられて物事を俯瞰に見れる。
それがわたしの知ってる黒桜斑。
……なはずなんだけど?
目の前にいる人は、ほんとにわたしの知ってる人?
こんな表情を崩すところも、無縁そうな言葉を吐くところも、初めて見た。
波乱から幕を開けた黒刃高校での初めての行事は、こうして幕を下ろした。
成功という嬉しい結果と、わたしに若干の胸騒ぎを残して──。