クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
「はい、同じです」
「それじゃあつまんねーだろ。なあ、亜白?」
紫藤先輩が、南組総長の亜白先輩に同意をもとめた。
しかし、亜白先輩は笑みを浮かべながら「去年けっこう楽しかったよ」と答える。
同意をもとめられなかった紫藤先輩が、ちっ、と舌打ちを吐く。
「オレも学食は嬉しいけど、でもたしかにそれだけじゃ味気ないっすよねー」
そう言ったのは、北組総長のクリスくん。
絶妙なタイミングでの紫藤先輩へのアシスト。
人柄のよさでまとめ上げたっていうハルル評も頷ける納得のナイスパスで、さらにピリつきそうになった空気をとどめてくれた。
「学食貸しきりは別として、どーせならもう1つ加えねーか?」
紫藤先輩が話を続ける。
あ、わたしには聞いてくれないんだ。
ちょっと寂しい……。
「最優秀作品賞の賞品は──……“西の花姫”」