クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
総長たちがこぞって危険視する存在“学園最強の一匹狼”。
今までは、ふんわり、ああそうなんだって思う程度だったけど、総長さんたちを相手にすると本当なんだと実感する。
この学校じゃほんとにすごい人なんだな、斑は。
家だとマイペースすぎて問題児扱いされてるから、ちょっと意外。
「……おまえはただの用心棒だろ」
「外でのことは俺に権限が委任されてる。俺の言葉は組長の言葉だと思え」
思わず唸りそうになった。
斑のこの肝の座り方は見習わなくちゃいけない。
堂々と嘘をついたよ、この男……。
わたしになにかあれば斑の判断で守れと、たしかにおじいちゃんから言われているけれど、組長の権限を委任されたわけじゃない。
ましてや、斑の言葉がおじいちゃんの意思だなんて……黒刃市でのヤクザの地位をゆるがしかねない。
……まぁそのへんの事情はいち生徒が知るところではないから、ウソがウソとして通らないだろうけど。