クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした

「ふふ、心配しなくても大丈夫だよ。確率4分の1だもん。クラスの半分は知ってる人だと思うよ」

「4分の1?16分の1じゃなくて……?」


16クラスあるなら、同じクラスになれる確率は16分の1。

好きな人と同じクラスになりたいと願っても、絶望的かつ奇跡的な確率だ。


「あれ、この学校のクラスの仕組み聞いてないの?」

「仕組み?普通とは違うの?」


首をかしげる。


クラスに仕組みがあるとは思わなかった。

あるとしても、せいぜいクラスの数え方くらいだと。

A組、B組……と数えるのか、1組、2組……と数えるのか、みたいな。



「全然違うよ。たしかに『クラス』って呼ばれるのは16コあるんだけど、ほかの学校で言うところの『組』は4つしかないの。東組、西組、南組、北組ね。これは住んでる学区ごとにふり分けられるから、あたしたちは西組」



ふむふむ、と頷きながら聞く。

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