クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした

わたしは何度か言葉を飲みこんだあと、おじいちゃんの質問に答えた。


「好き、かな」


言っちゃった……。


ていうか、斑おきてないよね?


ちらりと横を見る。……特に反応なし。


よかった、起きてなかった。


「ははっ。苫のほうがいくらか大人だな」


おじいちゃんは嬉しそうに笑みをこぼした。


ちょうどそのとき、ガラガラと扉の開く音がした。


「ただいま帰りました」と組員の声が聞こえてくる。


「さてと。出迎えに行くか」


おじいちゃんは立ちあがり……ふと、「そうだ」とふり返る。


「自分の心には素直でいなさい。本当に守りたいならな」


不思議な言葉を残して出ていった。


今の言葉……わたしに向けて言ったんだよね?


素直でいろっていうのはわかるけど、守りたいってどういうことだろう?


おじいちゃんが残した言葉の意味を考えていたわたしは気づかなかった。


机に伏せる斑の目が開かれていたことに。


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