クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした
「えーっと……斑は──」
ハルルに斑との関係を伝えようとした、そのとき。
突如、わっ!と歓声に似たどよめきが聞こえてきた。
「なに?」
廊下を歩いていたわたしたちは、反射的に足を止める。
「どうせケンカでしょ、くだらない」
「いやちょっと待って。この騒ぎ……もしかして総長がいるんじゃない⁉︎」
……ケンカ?
……総長?
2人がなにを言っているのかわからなかったけれど、騒ぎのする方へハルルが駆けていってしまったので、とりあえず彼女の後を追った。