クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした

……あれ?

セリフがちがっ…………


え!



刹那のことだった。


台本にないセリフに驚くわたしの腰に手が回って……ぐいっと引きよせられた。


息づかいも鼓動も感じとれそうなほど近い距離。お互いの視線が触れる。


騎士の……いや、斑の、瞳がゆらいだ。


愛おしそうに和らいだ、次の瞬間。


………………っ。



「「キャーーー‼︎」」


観客の喚声がとどろいた。

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