クールな番犬くんは学園最強のオオカミでした

さわがしい……。

にぎやか……。

もりあがってる……。


うん、それは、わかる、んだけど……。


なにも見えない。

視界にはなんにも映ってない。

というか、近すぎて焦点が合ってない。


感じるのはくちびるに触れるなにか。

やわらかくて熱を持ったなにか。


にわかには信じられない状況。

でも、夢なんかじゃなくて。

たしかに感じる感触。


なんで?『手の甲に』キスじゃなかったっけ?


そう思って待ち構えてたのに……。


斑にされたのは、『くちびる同士の』キスだった。


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